限界同窓会

人口の50%が65歳以上の高齢者となり社会的な共同生活の維持が困難になった集落のことを限界集落というそうである。我が関東口加会も同じようなものだ。
長崎県内の高校数79校のうち約半数の40校が関東地区に同窓会を作っている。島原半島9校のうち関東地区に同窓会があるのは7校。
関東地区同窓会とはなるべく交流を持つようにしているが、殆どが限界同窓会と言える。とにかく人が集まらない。人を集めないと会そのものが崩壊するため人集めにあの手この手を使っているのが現状だ。こうも人集めに執着している自分が時々滑稽に思えるときがある。
でも、同窓会とは良いものだ。
20歳から80歳代まで一堂に同窓生が集まり、故郷や高校時代の話をしたり、一緒に校歌を歌うのは誠に楽しい。本部同窓会長や校長先生から現在の高校の状況を聞いたり、生徒の活躍ぶりをお伺いするのも実に嬉しい。今まで話したことのない同級生と仲良くなって新しい出会いができるのは今後の喜びとなる。
中でも一番良い所は、年齢、職業に関係なく、仕事や家庭、恋愛の悩みなど、プライベートな事も気がねなく語り合える場であるということ。
私の父は私が中学・高校の頃、父の先輩・後輩、友人・知人や仕事仲間と会うときは良く私を同行してくれた。自分の息子を色んな人に会わせることにより息子の教育をしようとしたようである。私が18歳で上京した後も、どこどこに南串山町出身(私の出身地)の誰々さんがいらっしゃるのを聞いたから尋ねて行きなさいと言って、良く紹介してくれたのを覚えている。
子供は色んな人に会うことにより何かを感じ何かを吸収しているのは間違いなかろう。
同窓会も同じようなことが言えるのではないだろうか。若い人は多少無理してでも出席し先輩方と会って話しする機会を増やして欲しいと切に希望している。
人口減という社会現象や昔と違って地方から上京する人が激減していることもあり、限界同窓会を平均年齢50歳以下の普通の同窓会(?)にするのは困難だと思うが、限界同窓会だからこそ得るものも沢山あるように思う。
同窓会は大好きだ。

関東口加会長 平野康博